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山田屋まんじゅう

季節の便り 2016夏

夏。緑こぼれる稲田を
心地よい風が、吹き渡ります。

「夏」という呼び名は、一説には「づる」が語源だと言われます。
づる(現代語では「撫でる」)とは、ものに〈霊的な生命力〉を与える所作のこと。
田植えを終えて緑が映えるこの季節になると、田には、愛し児のかしらをそっと撫でるような
爽やかな風が吹きわたり、
それにつれ、稲穂は日一日と育っていきます。

六月の晦日みそかになると、各地の社では《しのおおはらえ》という半年に一度の祭りが行われます。
芽草ちぐさで作った大きな輪が境内に立てられ、その下をくぐる茅の輪くぐり。
このとき、に切った紙を手で撫でて輪をくぐり、その人形を神前に納めると、
病気や邪気を祓うことができると信じられてきました。
づることで、夏を迎える》のです。

季節の便り 2016夏イメージ1

私ども伊予の里山にも、一年のうちでもっとも生命感みなぎる夏が到来します。
虫も花もすっと身を伸ばし、持てる生命いのちを謳歌します。
そして、旧暦七月十五日は、祖先の霊をお迎えし、もてなしてお送りするお盆の行事。
仏壇や精霊棚に飾る盆花は、祖霊が宿るしろとされました。
桔梗ききょう女郎花おみなえし鬼灯ほおずきなどが代表で、故人の好きな花が供えられます。

人の暮らしに《生命いのち》がいちばん接する季節。それが「夏」なのかもしれません。

季節の便り 2016夏イメージ2

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