「茶楽」では、玉露をしずく茶としてお出しします。小説「草枕」の中に登場するお茶をイメージしています。
「濃く甘く、湯加減に出た、重い露を、舌の先へ一しずくずつ落して味って見るのは閑人適意の韻事である。普通の人は茶を飲むものと心得ているが、あれは間違だ。舌頭へぽたりと載せて、清いものが四方へ散れば咽喉へ下るべき液は殆どない。只馥郁たる匂が食道から胃のなかへ沁み渡るのみである。歯を用いるは卑しい。水はあまりに軽い。玉露に至っては濃かなる事、淡水の境を脱して、顎を疲らす程の硬さを知らず。結構な飲料である。眠られぬと訴うるものあらば、眠らぬも、茶を用いよと勧めたい。」
新潮文庫 夏目漱石 『草枕』より引用
夏目漱石と縁ある道後温泉の地で、漱石の世界に想いを馳せてみるのはいかがでしょう。
二煎目まではじっくりとお茶のみを、三煎目以降はおまんじゅうとの調和を楽しむのもお薦めです。急須の中に湯を残さず湯呑みに注ぎきることで、何煎も美味しくいただけます。
産地:京都府宇治
山田屋まんじゅう 1個付 979円(税込)
甘い露、旨みの詰まった滴、これぞ玉露。藁・よしずで覆いをして生まれる独特の覆香・覆味を感じてみてください。湯温を変えることで、一煎一煎味わいが変化します。ゆっくり時間をかけ、五感を働かせながら、お好みの味わいを探すのも楽しいものです。
最後は茶の葉までお召し上がりいただけます。ポン酢醤油をお持ちします。飲み終えましたらお声かけください。